オーバードーズについて その1

 僕がオーバードーズをするようになったのは大学生の頃である。当時の僕は哲学書を読み漁っており、サルトルをはじめとしたドラッグに溺れていた哲学者の影響を受けてしまった。

 元々、現実逃避の為に哲学に走っていた事もあり、シラフでいるのがしんどいという理由でアルコールに溺れていた自分にとってはドラッグは非常に興味を惹かれるものであった。そして、僕は2ちゃんねるやドラッグについて書かれている文献を漁って知識を得ていき、調べている内に自分でもやってみたいという気持ちになっていった。

 最初に試したのはメンヘラ御用達の薬で有名なブロンである。ブロンに含有されているジヒドロコデインエフェドリンはアルコールやタバコでは味わったことのない新鮮な体験を僕に与えてくれて非常に感動した。最初は勝手が分からず大量に嘔吐してしまったが、吐いている時の自分も没入感を加速させ、そんな自分さえ愛しく思えた。このデビューをきっかけに僕のドラッグへの関心は更に加速し、色んなものに手を出していく。